母校である兵庫大学のエクステンション・カレッジや社会連携オフィス、地域医療福祉研修センター、ボランティアセンターで事務次長として活躍する吉田浩司さま。地域貢献や地域連携の大学側窓口として、大学と地域をつなぐ役割を担う吉田さまに話を聞きました。
女子短大に4年制大学が増設され、その1期生として入学したのですが、当然のことながら入学当初は周囲を見回すとほぼ全員が女性でした。また、大学内のルールでも女子短大の名残が至るところに感じられたのを覚えています。
例えば、入学して麻雀部を立ち上げようとしたのですが、当初は認めてもらえませんでした。「競技麻雀がしたい」という想いを必死で伝え、なんとか部の設立は認めてもらえましたが、学内での麻雀は禁止という条件が付きました。隠れて大学内でやっていましたが(笑)
対して施設面はとても充実していました。大学開校に合わせて建てられた2号館は当時の最新設備が整備されており、設置されていたパソコンも当時の最新OSであるWindows95が搭載されていました。現在は大学から学生に無償貸与されているノートパソコン、当時は学生が自分で購入することを義務づけられていたんですよ。このあたりも時代を感じます。
現在も私が学生だった頃も、多くの学生が休憩時間や授業の合間に食堂周辺や図書館、ラーニングコモンズに集まります。ただ、私たちの頃はそうした場所に加えてクラブの部室や共同スペースなど、大学側が用意したいろいろな場所に散らばって時を過ごしていた学生も多くいたように覚えています。
また、確かに男子学生は少なかったですが「イチから大学を自分たちの手で作る」という気運は高かったように思います。大学職員として現役の学生たちと接していると、大人しくてそつがない上、既存のシステムの運営が上手なんですよ。ただその分、型にはまりすぎる傾向があると感じます。願わくば、もっと「私はこんなサービスが欲しい!」と自由に主張してほしい。そういった学生が増えると、OBとしても大学職員としても嬉しいですね。
実は私が学生だった頃から、今ほどではありませんが地域と連携しながらの活動に取り組んでいました。現在に至るまで地域での活動を徐々に増やし続けて地域との関わりを密にしてきたことで、地域や地域住民の皆さまと学生の距離は着実に縮まっています。こうした地道な取り組みを続けてきたおかげで、現在は地域に貢献する大学としての認知が着実に進み、学生の評判、ひいては大学の評判も高まっていると感じています。
学生と地域の皆さまの関係性が良い方向に変化しているのは、地域や学生に加え、大学の先生方がプロジェクトにしっかり一歩踏み込み、学生を引っ張ってくださったからだと思います。
私も大学生だった4年間を含めると丸々30年大学と関わり続け、その成長をこの目で見てきました。今思えば、大学も私も走り続けた30年でしたね。今後も永続的にあり続けることをめざすと同時に、在学生や卒業生、さらには地域の皆さまから愛される大学をめざし続けます。